日 時 : 2018年10 月26日(金) 13:20~16:00

場 所 : 株式会社超高温材料研究センター(JUTEM)山口事業所
〒755-0001 山口県宇部市大字沖宇部573番地の3
       TEL:0836-51-7007、FAX:0836-51-7011 < http://www.jutem.co.jp/>

講演プログラム

(1) 13:20~13:30 講演会開催の挨拶

(2) 13:30~14:10
  講演:「高信頼性・高耐熱先進材料の研究開発について」
  講師:中川 成人 株式会社超高温材料研究センター代表取締役社長
  要旨:演者は、長年にわたり高温材料の研究開発に携わっており、特に、JUTEMとは設立時から設備導入、国家プロジェクト創出、さらには設備を利用する側からも深く関わってきた。それらの材料は、セラミック繊維を用いて強化された金属基複合材料(MMC)、特異な性質を有する超高温耐熱材料MGC(Melt Growth Composite)、各種の金属間化合物、セラミック基複合材料(CMC)、および新たな高温金属材料など多種多様な特殊無機材料である。本講演では、多岐にわたる高温材料における、それぞれの製造方法、性質、そして、高温における特性の信頼性についてJUTEM設備の特徴と併せて解説する。

(3) 14:10~15:00
  講演:「Multifunctional Compositesの創製」
   -機械加工性に優れた高強度・高靭性CMCと制振性CFRP-
  講師:谷本 敏夫(株式会社湘南先端材料研究所代表 湘南工科大学名誉教授)
  要旨:① 機械加工性に優れた高強度・高靭性CMC
 長繊維強化セラミックスの独創的な新規成形法を開発した。マトリックスとしてアルミナ(Al2O3)あるいは炭化珪素(SiC)セラミックスラリーを用い、炭化珪素系長繊維を含浸強化したCMCプリプレグ成形法である。他の成形法、例えばCVI法やMI法のような高価な成形設備を必要とせずコストパーフォーマンスに優れ、また自由な機械加工性(切断、研磨、穴あけ、溝掘り等)を有することから、幅広い応用が期待できる。本成形法のキーとなる技術は、セラミックスラリーに特別に成分調整したSiO2-B2O3系ガラスを添加することにより繊維の連続使用耐熱温度(約1,000℃) までCMCの焼成温度を低下させ、低温焼成を可能としたことである。このことにより、焼成プロセスにおける強化繊維の酸化・熱劣化を防止し、繊維/マトリックス界面の状態が良好でポアーレスなCMCを創出することができた。
  要旨:② 制振性CFRP
特許取得技術(日、独、米)である制振CFRP構造材料/システムを利用した場合、ボックスビーム形状では同一寸法のアルミニウムビームと比較して振動の静止までの時間は1/20~1/30に短縮され、従来材のCFRPボックスビームと比較しても約1/2~1/5の制振時間である。 本制振CFRP構造材料/システムは、スマートコンポジット化により部材内部が圧電素子要素と粘弾性要素から構成されており、それぞれの制振要素が効果を発揮するのみならず、組合せによるシナジー効果が存在することが確認されている。

(4) 15:00~15:10 休 憩

(5) 15:10~16:00  
  講演:「結晶質炭化ケイ素繊維の微細構造制御並びに表面平滑性について」
  講師:石川 敏弘(山口東京理科大学教授 工学博士)
  要旨:結晶質炭化ケイ素繊維は、有機ケイ素高分子を前駆体とし、溶融紡糸空気中での酸化及び窒素中での焼成を経て得られる非晶質炭化ケイ素系繊維を、高温のアルゴン中で熱分解・焼結させて合成されます。これ等の工程の中で、繊維強度に直接的な影響を及ぼす高温での熱処理過程での微細構造変化に焦点を当てるとともに、表面平滑性に対する重要因子、特に熱分解過程に発生するCOガスの濃度制御の重要性等についてもお話させて戴きます。

終了後、懇親会(16:30~19:00)会費:1,000円

会場の都合がありますので、参加を希望される方はあらかじめお知らせください。