公益財団法人特殊無機材料研究所

2026年度事業計画書

(2026年4月1日~2027年3月31日)

 

 公益財団法人特殊無機材料研究所は炭化ケイ素および特殊無機物質の研究の発展に寄与するために、2026年度は以下の公益目的事業を実施する。

1) 炭化ケイ素繊維に関する基礎研究
 炭化ケイ素繊維とその複合材料の高性能化については、当研究所で開発以来、研究を進めてきた。例えば、ポリカルボシラン繊維の不融化法として、当初は熱酸化不融化を行ったが、酸素含有量を減らすために電子線不融化に改善した。最近ではさらに酸素含有量を減らすことを目的として、無酸素ポリ(ジメチルシリレン)の合成を報告した。しかし炭化ケイ素繊維とその複合材料には依然として課題が多い。ポリカルボシランや炭化ケイ素の構造や生成機構が確立していないこと、コストが非常に高いこと、ポリカルボシラン繊維が非常にもろいこと、セラミックス基複合材料(CMC)用マトリクスとしてStarfire Systems製のAHPCSが市場で得られる唯一のマトリクスであり、代替品がないことなど、多数の課題がある。これを改善、解決するための研究を進める予定である。
 一方、従来のプロセスを見直し、それを超えるための研究も今後の重要なポイントである。このような研究はそう簡単ではないと予想されるが、その芽を見つけ育てることも当研究所の目標である。
 以上のことを実現するために、今年度は以下のテーマを実施する。
・ポリ(ジメチルシリレン)から炭化ケイ素への熱反応機構の解明
・ポリカルボシランの構造の解明
・ポリ(ジメチルシリレン)の末端基の違いがポリカルボシランの構造や物性に及ぼす影響の解明
・ポリカルボシラン以外の前駆体ポリマーを用いる炭化ケイ素の生成

2) 炭化ケイ素および特殊無機物質に関する研究への助成
 炭化ケイ素および特殊無機物質に関する研究開発の活性化を促し、特に若手研究者の参入・育成に寄与するために、研究助成を公募する。概要は以下のとおりである。

助成対象: 炭化ケイ素および特殊無機物質に関する以下のような研究

・炭化ケイ素繊維の合成、構造、性質などに関する研究
・炭化ケイ素および関連物質に関わる科学技術に関する研究
・炭化ケイ素および関連物質を合成するための新規前駆体ポリマーの開拓
・新たなコンセプトをもつ物質の提案およびその合成法、構造、物性、用途に関する研究

助成金額: 1件50~100万円/年
周  知: 当研究所ホームページで公開する。また、日本セラミックス協会、日本化学会、粉体粉末冶金協会、日本金属学会に会員へのアナウンスを依頼する。
採択後 : 採択者には報告書の作成と研究発表会での発表をしてもらう。

 

3) 炭化ケイ素および特殊無機物質に関する講演会の開催
 当研究所では炭化ケイ素および特殊無機物質の分野の研究者を招いて講演会を行ってきた。これらの講演会はこの分野の研究者のよい情報交換の場になっている。今年度も11月頃に講演会を開催する予定である。

 
4) その他(定款第4条に規定する事業)
 以上の事業の他に、定款第4条に規定する事業を必要に応じて実施する予定である。

定款
第4条 この法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
(1)特殊無機材料及びその応用に関する研究並びに調査
(2)特殊無機材料及びその応用に関する研究用材料の製造並びに供給
(3)特殊無機材料及びその応用に関する研究の助成
(4)その他この法人の目的を達成するために必要な事業